My sweet road

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ブログなのに古い話で恐縮ですが、季節が秋になりかけた頃、俳人の黛まどかさんにお会いしました。
プライベートで、と言いたいところですが、もちろん仕事です。
さすがに詩人、お話もポエットで素敵な女性でした。
相模湾の見渡せるホテルのラウンジでのインタビュー撮影だったのですが、
あいにくの曇り空、今にも降り出しそうな空模様の中でお話を聞きました。
その中で、黛さんの好きな言葉、「やらずの雨」のお話になりました。
意味は訪れた人が帰る際、その人を引きとめるように降り出す雨のことをさす言葉
なのだそうです。
雨=天気が悪いとネガティブなイメージの雨ですが、日本語には雨に感謝する言葉、
「慈雨」「甘雨」「喜雨」などがあり、「やらずの雨」もそんな言葉の一つでしょうか。
黛さんの知人である韓国の方がその言葉の意味を知り、日本へのイメージが一変
したそうで、言葉の持つ力の重要性をお話になるところはやはり文人だなと
思いました。
もうひとつ、お話の中で印象に残っていることは、身近な所に咲いている野の花を
見ませんか、ということです。
花を観賞することで心を豊かにし、失われつつある季節感を取り戻しましょうと提案
するあたりも、さすがに季語と生きる俳人ですね。
超田舎暮らしの私としては、さっそく次の日から実践。
駅までの道のりの間、今まで見過ごしていた花がいくつもあることが判りました。
上の写真は秘かに「日出谷コスモス街道」と勝手に名付けた My sweet road です。
たったの30m余りの距離ですが、道の両側にたくさん咲いていて、8月下旬から
11月下旬までの間、出勤時に癒しのひと時を提供してくれる場所です。
皆さんにもお気に入りの My sweet road があるのではないでしょうか。
黛さんにとってはスペインのサンチャゴ巡礼道がそうなのかな?
サンチャゴ巡礼したお話も楽しく、もっともっと聞いていたかったのですが、
残念ながら「やらずの雨」も降ってはくれず、一期一会を大切にしなければと
感じた一日でした。                                      Moonyman

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