記録撮影

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先日宮城県女川町を訪れた。 今回は復興工事の安全祈願と現況の記録撮影。
女川港を含む広大な土地の浸水地区は今後、旧市街地の周辺の山を造成し、 およそ5メートル盛土し嵩上げを行い、新たな市街地を整備するそうである。
震災後、定期的に、女川、石巻をはじめ、被災地の数各所を訪れ撮影を続けている。
その現状は様々で、未だ震災の爪痕を色濃く残す地区もある。
復興の進む中、日々変わって行くこの姿を、我々撮影者は映像という手段で、 後に語りついでいかなければならない。
撮影者にとって、ある意味映像の本質とも言えるその重大な役割に、 やりがいを感じる反面、大きな責任を背負うことにもなる。
記録撮影というのは、ある目的を持った番組やドキュメンタリーとは違い、 見たままの現状を伝えなければならない。
切り取ったサイズの画、フォーカスの位置、背景のぼかし具合ひとつをとっても 間違えると主観的で個人的な感情を含んだ意味を持つ画になってしまう恐れがある。
かといって、客観的に広角レンズで現状だけを捉えていたら その現場の緊張感や空気感を伝える事は出来ない。
そんな事を考えながら我々は、偽りのないこの今の生の風景を、鮮度を保ったまま 未来へ届ける為に、慎重にRECボタンを押し続けなければならない。
豊作

記録撮影” に対して2件のコメントがあります。

  1. kenji より:

    ともすると、日々の仕事で忙殺されてしまい、サイズ、被写界深度の選択などおろそかになります。最近の自分を振り返る、良いきっかけになりました。

  2. 豊作 より:

    キャメラマンにとってその選択が表現方法であって、楽しみのひとつなんですよね~
    お互いに良い選択をしていきましょう。

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