ハードボイルドな1日
その朝突然思い立ち、ブラックのコーヒーを調達し、8時丁度のあずさ5号に乗り込んだ。
レイモンドチャンドラーのロング・グッド・バイ(村上春樹訳)の一項目から読み返す…
列車は街を抜けて山間部に入った…項をめくるスピードも上がって行く。
風景と本を交互に眺める。至福の時間…
終着駅に到着すると、駅弁をふたつとコーラを買い込み、アニメのキャラクターのついたローカル線に乗り変えた。
大学生と登山客に囲まれてやっと列車は目的の駅へたどり着く。
田園風景を暫く歩くと初夏のような暑い日射しを浴びた彼がそこで待っていた…そういえば彼は昔から太陽がよく似合う…
それから私たちは向かい合って、ただ昼飯を食べ、ブルーハーツを聞き、ただそこで時を過ごした…
最後に一言「また来るよ…」と言い残し、私はその場を後にした…
帰り道、こんな日もありかな…こんな1日もいいかな…とも思った。
ハードボイルドはマーロウだけか…
豊作
5月に入ると、そろそろと思いだす。当日はうっかりしていて、こうして豊作さんのブログでハッとなる。列車と、あの田園風景の中。豊作さんの優しさに熱いものが込み上げます。